Integrated Network kc2 久保田正一建築研究所|我々は「創る」活動を続けています。

Integrated Network kc2 久保田正一建築研究所 | WORKS-実績紹介

ホーム > 実績紹介12:AO-house

12:AO-house

静岡県藤枝市南西部、旧東海道に隣接する場所に建てられました。街道筋には昔を想い起こさせる松並木が点在しているものの、建築物が密集するに至らない「これからのエリア」です。
敷地は整形であり、前面道路は東側にあります。新規に造成された宅地ゆえ、南、北に接する宅地も同条件であり、「できるだけ南庭を確保し、東面ないしは南東部に駐車スペースとアプローチを配置する事が合理的である」と皆が想定できる宅地の連続です。これをコンテクストと仮定して配置すれば、採光と通風は問題なく確保されます。
問題はプライヴァシーの獲得でした。他者との視線が交錯せず、洗濯物・給湯器(エコキュート)・ゴミ置場など家庭の様子が見られないようにするため、ここではL字形・片流れ屋根のプランが選択されています。これにより道路から見えるのは、玄関ドアと自家用車2台だけ・・・こうして全てのプライヴァシーが家中心の南庭に集約される事に成功したのです。
ただし、この庭は「完成系」ではありません。インフラストラクチュアとして用意された「器のような空間」です。16のサークル、緑色砕石、庭土、飛び石という素材を使った平面構成を基盤とし、樹木・草花の植付けは施主の生活が落ち着いた時点からスタートするという時間差プログラムを組んでいるのです。「基盤としての外部空間づくり」です。
一方、リビングルームにはヴォイド(吹抜)があります。これは上下階をつなぐ風の通り道であるとともに、階段空間からポリカーボネート中空板を透過してやってくる光の通り道でもあります。プライヴァシー確保のため東面の窓サイズは小さいものが選ばれています。そのため初めて見た人は「1階が暗いのではないか」と思いがちです。ですが、一歩入れば、その心配が杞憂に終わる事がわかります。吹抜はリビングルームへの「風と光の贈り物」なのでした。

作品名 AO-house
構造 木造
ジャンル 戸建住宅
予算帯 1,000万円台
建築の形体 新築
竣工年 2006年
所在地 静岡県
構造設計 久保田正一建築研究所
ロケーション 郊外
施工者 久保田建設株式会社

写真をクリックすると、写真が拡大表示されます。

PAGE TOP